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▼「オムレツ・ワールドカップ」独占取材レポート!
まだまだワールドカップの余韻の残っている中、都内某所でもう一つのワールドカップが開催されようとしていました。
その名もオムレツ・ワールドカップ。略してO杯。
その情報を聞きつけたユトレヒトでは、今まで謎に包まれていたO杯の取材に成功しました。
以下はその潜入レポート。真の世界一のオムレツはどこの国だ!!
まず、O杯を知らない人のために(みんなだっつうの・・)、ゲームの仕組みを説明しましょう。
O杯は、本の中に出てくる、オムレツのレシピを実際に再現し、そのおいしさで勝敗を決します。
過去には、子どもの頃に読んだ「ぐりとぐら」の巨大カステラをいつの間にかオムレツと勘違い、という誤審問題で物議をかもしたこともあったそうです。

さて、今大会のエントリーは以下の3カ国。

フランス代表:


「パリの空の下オムレツのにおいは流れる」
(石井好子)
オムレツ・オ・フロマージュ

日本代表:


「天使のオムレツ」
(牧羊子)
天使のオムレツ
アメリカ代表:


「Peanuts Cook Book」
(Charles M.Schulz)
Sally's Scrambled Eggs With (Or Without) Stewed Tomatoes
特にフランス対日本は、乙女の頂上決戦として好試合が期待されます。


材料:
●卵4つ
●バター
●粉チーズ
●塩、こしょう


チーズを混ぜ入れます

バターはたっぷり

ひっくり返します

出来上がり!

まずは、「パリの空オムレツのにおいは流れる」。
審判が、本文からオムレツに関する記述をチェックしています。

 フライパンが熱くなると、マダムはおどろくほどたくさん
 (かれこれ1/8ポンドほども) バタを入れた。
 「ずいぶんたくさんバタを入れるのね」
 「そうよ、だから戦争中はずいぶん困ったわ」
 〜中略〜
 オムレツは強い火で作らなくてはならない。
  熱したバタにそそがれた卵は、
 強い火で底のほうからどんどん焼けてくる。
 それをフォークで手早く中央に向けて、前後左右にまぜ、
  やわらかい卵のヒダを作り、なま卵の色がなくなって、
  全体がうすい黄色の半熟になったところで、片面 をくるりと
  かえして火を消し、余熱でもう一度ひっくりかえして反面を
  焼いて形をととのえたら出来上る。

このあと、オムレツをおいしく作る五箇条が記されていたりとかなりの自信を感じます。
では早速作りましょう。

卵4つをボールに割入れ、フォークでかき混ぜます。
粉チーズを大さじ2杯入れ、さらにかき混ぜます。
温めたフライパンにバターを入れ、溶けたところに先ほどの卵を入れます。
フォークで形を整えて出来上がり。さすがは本場仕込み。
おいしそうなバターとチーズの匂いが部屋中に広がります。

次は、日本チーム。「天使のオムレツ」のオムレツに関する記述を見てみましょう。

 遠い旅に憧れる男たちが
 なぜ卵料理を食べたがるか
 閉じた殻の中に還元する愉悦
 そこに永遠に憩わせてあげるために
 地球をちょっとテーブルの角に当てる
 したたる血を泡立てて においあらせいとう
 
 天使のオムレツを焼く
 
なんと詩です。これはルール違反です。作れませんから。
と、日本チームあっけなく失格です。通訳が泣いています。でも仕方がありません。

材料は、
●卵3つ
●牛乳少し
●バター
●塩、こしょう
●シーズニング
●トマト缶


牛乳も入れときます

トマト缶は別の鍋で

手早く混ぜます

出来上がり!
そして、アメリカチーム。
「Peanuts Cook Book」は子供向けのレシピ集。
気の利いたタイトルのレシピと、それに関係があったりなかったりする
peanutのコミックが見開きで掲載された楽しい一冊です。
さて、エントリーされた「Sally's Scrambled Eggs With (Or Without) Stewed Tomatoes」、
英語ですので、訳して記述すると、
作り方は

1.卵3つをボールに割入れ、ふわふわになるまでよく混ぜます。
2.牛乳とシーズニングを加えます。
3.温めたフライパンにバターを入れ、溶けたところに先ほどの卵を
入れます。
4.固くなったり、焦げたりしないよう注意しながらフォークでよく混ぜます。
5.皿に盛り、別の鍋で温めたトマト缶を上にかけて出来上がりです。

ん、これはオムレツではないのでは。
審判が集まって審議しています。しかしどうやらオッケーだったようです。
スポンサーが胸をなで下ろしています。これで失格になったら大会になりませんから。

自転車で転びました・・・

う、うまい!
さて、いよいよ判定です。審査員が試食しています。
アメリカチームの「Sally's Scrambled Eggs With (Or Without) Stewed Tomatoes」、を食べた審査員が顔をしかめています。
どうやら味がしないようです。

一方、石井好子の「オムレツ・オ・フロマージュ」は焼き加減、味共にサイコーです。

よって、今回のO杯、優勝はフランスです!
見事W杯の雪辱を果たしました。
以上、O杯取材レポートでした。次回は4年後にお会いしましょう。
そして、今回エントリーした本は下に紹介しています。
ご自宅でも簡単にO杯を再現することができますよ。。
 
▼「オムレツ・ワールドカップ」エントリー作品


暮らしの手帖社
1964年
ソフトカバー
【巴里の空の下オムレツのにおいは流れる】
花森安治/装丁 石井好子/著

ベスト・オブ・オムレツ本。
読んで作って唱う、食べる。
シャンソンと料理は相性が良い。
装幀と挿絵は花森安治さん。
【品切れ中】
 


K.K.ロングセラーズ
1977年
ハードカバー
【天使のオムレツ】
牧羊子/著

つくることはおもうこと。
たべることはうたうこと。
開高健夫人の食通エッセイ。
夫婦共々の仲良し食い道楽さん。
天国で天使のオムレツはもう食べたのでしょうか。
帯付き・背ヤケ
【品切れ中】
 

[さらに詳しく]
DETERMINED PRODUCTIONS
1969年
ハードカバー
【PEANUTS COOK BOOK】
Charles M.Schulz/著

【購入するには】
古本:Amazon.com zShops[$14.50]
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